ダイヤが縁石をこすり、ホイールからガリッと鈍い音が聞こえたら血の気が引くでしょう。
車から降りて見事な引っかき傷が見えたら、いよいよ頭を抱えてしまいますね。
しかしホイールのガリ傷は見た目以上に程度が浅く、DIYで元通りになる可能性は高いです。
ガリ傷をDIYで補修できれば、業者に頼む場合より半分から5分の1程度の金額で済むので経済的です。
但し表面処理の方法など、準備をきちんとしないと目もあてられない仕上がりになります。
勿論DIYではどうしようもない場合もあるので、DIYで補修できるガリ傷の程度の目安も把握すると良いでしょう。
縁石にこすった時など、ぜひトライしてみて下さい。
ホイールのガリ傷はDIYでキズ直しできる?
程度の軽い傷ならDIYで思ったよりも簡単に補修できます。
業者に依頼するより経済的ですが、ホイールが変形したりえぐれたりした時は業者に依頼しましょう。
DIYできる?
素人でも補修しやすい傷
5mm程度の引っ搔き傷までが素人でも補修しやすい目安となります。
ホイールを縁石にこすった場合、荒れた表面によって大きなダメージを受けているように見えますが、実際の深さは1mm程度です。
傷ついた表面を平らにならして塗装すれば、大体は元通りになります。
塗装についても、白やマットブラックなど、メタリックが混じっていない色は調色が簡単なので、補修しやすい部類に入ります。
DIYでのリペアは諦めたほうがいい傷
ホイールが変形しているような傷は、自分で修理するのは無理と判断しましょう。
欠けたりえぐれたりしている傷は、パテで補修しても強度を保つことができません。プロに修理を依頼する方が無難です。
またクローム系のカラーリングホイールでも、メッキ処理を行ったような色の場合は、タッチペンで調色しても色の再現は困難です。
ホイールのガリ傷をDIYで修理する手順
ガリ傷の修理はどんな天候でも良い訳ではありません。必ず晴れた日に行いましょう。
また良い仕上がりを得るためにタイヤは外し、ホイールは洗浄してキレイにすることも大事ですよ。
DIYで修理する手順
ガリ傷の修理に適した天候がある
ガリ傷の修理は必ず晴れの日に行うようにしましょう。
雨の日だとパテや塗料が上手く乗らず、乾燥するまで時間がかかるだけでなく、仕上がりに大きく影響します。
プロが雨の日に修理する場合、施工スペースを密閉してエアコンで除湿・乾燥しながら作業しても、晴天時の作業には及ばないのです。
タイヤは外して作業したほうがベター
タイヤを車に装着したまま補修することはお勧めしません。
作業性が著しく悪くなり、仕上がりにも外した場合と比べて大きな差が出るからです。
タイヤを外す一手間がかかりますが、後の流れは効率が良くなります。
タイヤは外して作業すると良いですね。
ホイールを洗浄する
ホイールもキレイに洗浄しましょう。
補修する箇所に泥汚れが付着していると集中力が切れて、やはり作業効率が落ちます。
補修する前にホイールクリーナーでスポンジや雑巾を使用し、泥やブレーキダスト等の汚れを洗い流してから作業すると良いですね。
ホイールの表面処理をする
ホイールを洗浄したらしっかり水分を拭き取ってしばらく乾燥させましょう。
自然乾燥させると一番良いですね。その後でガリ傷の表面を耐水ペーパーで磨いて表面を平らにならします。
表面が平らになったら脱脂剤で油分をしっかり除去します。
更にマスキングテープをガリ傷の周辺やタイヤとホイールの継ぎ目に貼って、パテや塗料が補修箇所以外のところに付着しないようにします。
ガリ傷にアルミパテを盛る
アルミパテは2液性です。ダンボールの上で主剤と硬化剤をしっかり混合させ、アルミパテを形成します。
パテは大量に出し過ぎないよう気をつけましょう。使い終わる前にパテが固まってしまうからです。
専用ヘラでガリ傷の凹凸を埋める感じでパテを塗布します。
尚パテはしっかり固まるまで、気温20℃前後でおよそ5時間は必要です。
パテの表面をキレイに整える
アルミパテが完全に固まった後で、耐水ペーパーを使い表面の凹凸を整えます。
最初は最も目の粗い400番のペーパーを使いましょう。
耐水ペーパーは小さな角材などに巻き付ける研磨部分を平らに保つことができて、研磨部分にムラが無くなります。
表面を大まかに削ったら少しずつ目を細かくして作業します。
磨く際は力を入れすぎず、じっくりゆっくり磨くことがポイントです。
徐々に番号の大きな耐水ペーパーを使い、最後は2000番のペーパーで滑らかに仕上げます。
パテを盛った箇所を塗装する
修理した箇所と周りのホイールの色に差異がある場合、ホイールペイントで塗装します。
この時も塗料をたくさん塗らずに、ゆっくりと塗り進めましょう。
塗料が垂れるのでスプレータイプを使うと塗りやすくなります。
塗った箇所が乾いたら重ね塗りを数回繰り返せばホイールの色に近づきますよ。
乾燥した後でコンパウンドで仕上げすると光沢が出て、仕上がりが更にキレイになります。
ガリ傷をDIYで修理する際に必要な道具は?
ガリ傷をDIYで修理するには、ホイールクリーナー、マスキングテープ、耐水ペーパー、脱脂剤、アルミパテ、専用のヘラを用意します。
それぞれの使い方を解説しましょう。
必要な道具
ホイールクリーナー
ガリ傷を補修する前に、ホイールに付いた汚れを全て洗い流す必要があります。
ブレーキダストを綺麗に洗い流すことができる「鉄粉除去成分」が含まれたものがオススメです。
マスキングテープ
最後の仕上げをする時、パテや塗料が補修箇所以外に付かないよう、マスキングテープを使いましょう。
どんなに注意しても塗料が飛散することがあるからです。
ビニールとマスキングテープが一体化したタイプを選ぶのがお勧めですよ。
耐水ペーパー
耐水ペーパーを使い、荒れてささくれが目立つガリ傷の表面を平らに研磨します。
水を使って研磨すれば紙の目詰まりを防ぎ、作業効率が格段にアップします。
ペーパーの目は粗いものから細かいものまで一通り揃えましょう。ペーパーの数値で示すと400番から2,000番まで揃っているのが理想的ですね。
脱脂剤
ホイール表面についた油分を除去するために用います。
ホイールクリーナーでも除去できない油分が残っていることがあるので、脱脂剤で完全に取り除けばパテや塗料の乗りがとても良くなって作業性が向上します。
アルミパテ
ガリ傷を埋めてホイールの表面を滑らかに仕上げるため、ホイール専用のアルミパテを用います。
一般的なパテだと強度に問題が出てくるので、ホイールと同じ金属成分で構成されたアルミパテを使って補修すると良いですね。
パテヘラ
アルミパテをホイールに塗布するためには、専用のヘラで作業しましょう。
パテを盛る作業効率が上がり、塗布も上手にできるからです。
手で塗ったり、周囲にある適当なアイテムで塗ったりすることはくれぐれも厳禁ですよ。
ホイールペイント
アルミパテをホイールに盛ってキレイにならした後で、ガリ傷の周囲とホイール全体の色に違いが出ないように合わせます。
ホイール用のペイント剤で調整しますが、スプレータイプを使えば均一にムラなく塗リ込むことができます。
選ぶ色はシルバーやブラックなどの基調色ですが、最近のホイールはシルバーであってもライトカラーやダークカラーなどの種類があるので注意しましょう。
ガリ傷はDIY修理と業者依頼どっちが良い?
傷の程度が浅く、自分で補修可能なら経済性重視でDIYで大丈夫です。
色の調合が難しかったりホイールが変形したりしている場合は業者に依頼すると良いでしょう。
DIY修理と業者依頼
修理の値段で比較
業者によって若干の違いはありますが、大まかな相場としてホイール一本当たり10,000~25,000円を目安に考えましょう。
自分で作業すれば必要な料金は道具代だけなので、5,000円くらいで済んでしまいます。
道具は一度揃えれば何回でも使えるので、経済性を取る場合は自分で修理するのがお得ですね。
仕上がりで比較
メタリック系カラーは色を整える難易度が高く、メタリック系のペイントにマット系を混ぜると色がくすんでしまいます。
ホイールの修理はボディーの板金塗装と同じように、仕上がりにこだわるほど費用も時間もかかりますが、お金がかかっても仕上がりにこだわるならプロに依頼しましょう。
尚ホイールが変形している場合も、走行に影響するのでプロに施工を依頼してください。
気にしない?ホイールのガリ傷って放置するとどうなるの?
ガリ傷を放置したままだと、インチアップしたアルミホイールはデザイン性が高い分、少々の傷であっても目立ってしまいます。
またアルミにも錆が発生しますが、鉄のように赤茶けた錆ではなく白い粉を吹いたような錆び方になります。
錆びの進み具合は鉄よりも遅いので気にしない人もいますが、特に高温多湿の気候だと錆が早く現れる傾向があるのです。
ホイールのガリ傷をタッチペンだけで修理ってできる?
ホイールの色がシルバーでない場合、似た色のカッティングシートを貼ることがありますが、仕上がりに不満があるならタッチペンで塗装しましょう。
但し明らかに目立つガリ傷は、タッチペンだけで直すことはできません。アルミパテを使って補修する必要がありますね。
タッチペンを使う補修は、あくまで目立ちにくい傷に限ります。
業者に依頼するより安く済むのが利点ですが、色の調合など気を使うことが多いので、途中で失敗する可能性があります。
まとめ
ホイールのガリ傷は5mmくらいの引っかき傷なら見た目よりダメージが軽く済んでいます。
表面を平らにならしてアルミパテで補修するなどDIYで対応可能です。
但しホイールの変形や欠けがあるようなら業者に依頼して下さい。
またホイールでも、メッキ処理された場合には、色の調合が難しいので業者に任せると良いですね。
よく一緒に読まれてる記事は?