【アイドリングストップのバッテリー】寿命を先延ばしする3つのキモ!

燃費性能がよくなり地球環境にも貢献することで、アイドリングストップ車やハイブリッド車を選ぶドライバーは多いと思います。

しかしエンジン停止と始動を繰り返すアイドリングストップ車は、標準車以上にバッテリーにかかる負担が大きく、メーカーは標準車用バッテリー保証期間の半分くらいで交換することを勧めています。

バッテリー自体も標準車用より値段が高いので、できるだけ寿命を長持ちさせる乗り方を身につけましょう。

アイドリングストップ車バッテリーに負担をかけず、少しでも長持ちさせるために交換時期を延ばすテクニックを解説します。

目次

アイドリングストップ車のバッテリー交換の時期は?

アイドリングストップ車のバッテリー交換時期は、メーカーの保証期間は1年半、もしくは走行距離3万キロ。

メーカーは標準車用よりも短いサイクルでの交換を推奨していますが、保証期間を大きく過ぎて、3年くらい使えたというユーザーも存在します。  

アイドリングストップ車のバッテリー交換時期

アイドリングストップ車はバッテリーには厳しい環境

バッテリーが最も大きな電力を必要とするのはエンジン始動時で、バッテリーには大きな負荷がかかります。

アイドリングストップ車はその割にエンジンが動いている時間が短いため、充電不足が起きて標準車用のバッテリー以上に厳しい環境となります。

また最近のバッテリー発電システムは、アイドリングストップ車でなくても充電制御車としてのシステムが用いられています。

バッテリーが一定の充電量を満たせばバッテリーの電気を使用しますが、発電と充電を繰り返すのでバッテリーにはかなり大きな負担となります。    

バッテリーが少なくなった時の兆候

アイドリングストップ車のバッテリーが少なくなったときの兆候は、普通の車のバッテリーと同様に、まずエンジンのかかりが悪くなります。

アイドリングストップ車のバッテリーが少なくなるときには、アイドリングストップ中に勝手に再始動が始まったり、アイドリングストップそのものが行われなかったりという独特の兆候が現れます。

バッテリー交換の費用はどれくらいかかる?

アイドリングストップ車のバッテリー交換費用は、普通の車のバッテリーの倍の価格が相場。

軽自動車で8千円~1万5千円くらい、大型の車では2~3万円程度の費用がかかります。

ディーラーにバッテリーの交換を依頼すると、さらに2万円程度必要になります。

節約できるガソリンは微々たる量であることを考えると、高価なバッテリーは割に合わないのでは?という疑問も浮かんできますよね。

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アイドリングストップ車のバッテリーは寿命が短い?

アイドリングストップ車バッテリーのメーカー保証は1年半。

バッテリーはエンジン始動時に最も電力を消費します。

アイドリングストップ車は短いサイクルでエンジン停止と再始動を繰り返すので、普通の国産車のバッテリー以上に寿命が短くなります。

アイドリングストップ用のバッテリー寿命

アイドリングストップの仕組み

アイドリングストップ車は信号待ちなど、発進が必要ないと判断したときに一旦エンジンを停止します。

ブレーキから足を離すか、発進するときにエンジンが再始動するしくみ。

アイドリング中でもエンジンは回転しているので、燃料を消費します。

車の停止中はアイドリングを止めれば、ガソリンを消費しないので燃費性能が改善するのです。

10分アイドリングストップを行えば、350ml缶に入っている清涼飲料水のおよそ半分程度のガソリン節約が見込めます。

燃費性能に定評ある国産車としては微量では?と意見が分かれるところですね。

エンジン停止中はバッテリーに強い負荷がかかっている!

アイドリングストップ車は、エンジン停止中でもカーエアコンやスピーカーなどの電装品は稼働しています。

また夜間は前照灯も点灯しています。

普通の車ならエンジン停止中でも、バッテリーはオルタネーターから電力が供給されますが、アイドリングストップ車はエンジンが停止して充電量が不足します。

バッテリー自身で電装品の電力を賄う必要があるので、大きな負荷がかかってしまいます。

寿命を縮めるアイドリングストップの使い方とは?

バッテリーの寿命を縮める乗り方は、標準車と同じです。

ちょい乗りが多かったり、サンデードライバーのように運転する頻度が少なかったりでは、バッテリーの充電不足が起きて寿命を縮めます。

またルームランプの消し忘れや、前照灯を点灯しての夜間走行、または渋滞した道を頻繁に走ることもバッテリーの寿命が縮みます。

車用ウーファーなど電力消費の大きい電装品を大量に使って走るのも、アイドリングストップ車のバッテリーには高い負荷がかかります。    

アイドリングストップ車のバッテリー寿命をのばす方法

アイドリングストップ車のバッテリーを長持ちさせるには、アイドリングストップの機能を解除するのが手っ取り早いです。

車種によりますが、「OFF」とあるスイッチを押せば簡単に解除できます。

渋滞しているときや走行距離が短いときは、アイドリングストップを解除した方がバッテリーは長持ちします。

エンジンが停止してから5秒以上停止すると、アイドリングストップの効果が出ます。

言い換えれば停止後5秒以内の再始動が予想されるときは、バッテリーと燃費の両方に悪影響が出るので、アイドリングストップは解除しましょう。 

アイドリングストップのバッテリーは復活させることができる?

アイドリングストップのバッテリーは、エンジンの始動頻度が高くなるため強化されていますが、それでも通常のバッテリーよりも寿命は短い状態です。

ただし、走行中にパルス電流を流しサルフェーションを分解するパーツが市販されていますので、装着することでバッテリーの延命が可能です。

また市販されているパルス充電器を使うと数回の充電で定格レベルまで戻る例もあるようなので、試してみる価値はあります。  

よくあるアイドリングストップ車のバッテリー交換トラブル

アイドリングストップ車のバッテリー交換は扱いに特殊な点があり、普通の車にはない注意点に気をつけないと問題が発生します。

よくある交換時のトラブル例をまとめてみました。

アイドリングストップ用バッテリーの交換トラブル

バックアップをとってバッテリー交換

アイドリングストップ車のバックアップは、カーステレオやカーナビのメモリーを保つために必要ですが、バックアップを行うとメモリーの値がリセットされません。

エンジンのコンピューターはバッテリーが交換されたと認識しないので、アイドリングストップが行われなくなります。

この場合はバッテリーのマイナス端子を取り外し、5分くらいあとに再始動を行います。

フル充電ではないバッテリーを取り付けた

新品のバッテリーはフル充電されているのが基本。

国産車向けのカー用品店やネット通販でバッテリーを買う場合、在庫として保管されている間に自然放電が起きて、バッテリーがフル充電でなくなることがあります。

アイドリングストップの場合、車側が「劣化したバッテリーが設置された」と認識してしまいます。

車を走らせてバッテリーに充電するか、充電器を使ってフル充電状態にしましょう。

バッテリー端子の接触が悪い

バッテリー端子の接触が悪い、また新品のバッテリーであっても、車両の方の端子が清潔でないと、車側は「バッテリーの内部抵抗が多い」と認識してしまいます。

バッテリー端子位置の汚れに注意しましょう。

さらに端子を取り付ける前にサンドペーパーなどで端子を磨き、バッテリー端子の奥の方まできっちりと差し込んで取り付けしてください。

冬の寒い時期のアイドリングストップは要注意!

冬は普通の車でもバッテリー液の液面が減少して、多くの電力を必要とする過酷な環境。

寒さでバッテリーの容量が減っているときに電装品で電力を消費し、アイドリングストップでバッテリー率容量の増減が大きく、負荷がかかります。

アイドリングストップ車は、電圧・室温・水温・外気温等を管理して、状況によってはエンジンを停止させないようになっています。

冬はバッテリーに負荷がかかるのでアイドリングストップは解除した方が無難です。

普通のバッテーリーとの違いってなに?

アイドリングストップ車のバッテリーとの違いは、大きい負担に耐えるために耐久性や蓄電性能が大きいこと。

また表記法も普通のバッテリーと違い独特です。

交通の危険の場合

表記が異なる

アイドリングストップ車のバッテリーは、アルファベットと数字の組み合わせ。

K-42Rという表記のバッテリーを例とすると、Kはバッテリーの外形寸法を表します。

ハイフンに続く数字はバッテリーの標準車同様に性能ランクを表し、数値が大きい程高くなります。側面長などの側面規格は表していません。

数字の隣は端子位置を表します。何も文字が無いか「R」一文字が表記されますが、何も書かれていなければ端子位置は左側、Rとあれば右側であることを示します。

蓄電量が大きく耐久性がある

アイドリングストップ車のバッテリーは過酷な使用条件に耐えるよう、部品の耐久性と性能ランクは普通のバッテリー以上に高められています。

エンジン始動と停止を繰り返すので、バッテリーの率容量が大きいのが特徴。

また内部抵抗を少なくすることで、従来のバッテリーよりも多くの電流を流すことができます。

大きな電力を消費するので、バッテリーの端子に負担がかかってトラブルを起こさないよう、端子にも性能が優れたものを使うなど耐久性を重視しています。

充電回復性能が高い

アイドリングストップ車のバッテリーは、充電が遅くなるとエンジンが始動するまでの電力を蓄えることができないので、急速充電できるようになっています。

また蓄えられた電力量が足りないときはアイドリングストップをしません。

また停止中でも充電を優先するなど、普通の車のバッテリー以上に充電回復性能が高められています。

アイドリングストップ用バッテリーの選び方

アイドリングストップ車のバッテリーを選ぶときは、率容量が大きいものを選ぶとバッテリーが上がりにくいので安心です。

なおバッテリーを選ぶときは、端子位置の表記を確認しましょう。

例えば「M-42」「M-42R」という表記のバッテリーは全く別ものです。

取扱説明書で自車に適合するものを確認してください。

なお普通の車のバッテリーを設置すると、バッテリー自身の寿命を縮めるだけでなく、アイドリングストップが動作しません。

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アイドリングストップいらない!?維持費を考えると解除もありかも

アイドリングストップは車の燃費性能を改善し、地球温暖化にも貢献しますが、バッテリーの寿命が短く値段が高い問題があります。

筆者は毎日往復30キロの距離を運転しますが、往復の間に10回は信号待ちします。

アイドリングストップが10分として、大雑把な試算ですが、1年間で節約できるガソリン代(本稿を執筆している現時点で、筆者の居住エリアのリッター130円で計算)はせいぜい8,000円くらいで、バッテリーを頻繁に交換したら割に合いません。

アイドリングストップを常に解除することは、選んだ理由を考えると非現実的ですが、走る状況によって柔軟に解除することは一案です。

使用状況で臨機応変に対応しよう

アイドリングストップはガソリンを節約し、地球環境にも貢献しますが、場合によっては節約したガソリン代よりバッテリー交換費用の方が高くつきます。

バッテリーに大きな負担がかかる状況ではアイドリングストップを解除して、バッテリーを長持ちさせましょう。

アイドリングストップ車を選んだ意味がなくなりそうですが、渋滞と冬場に加えてちょい乗り、この3要素が予想されるときはバッテリー第一で臨機応変に解除を判断しましょう。

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この記事を書いた人

ブーまる編集部では、実際に車を売ったり買ったり、自分で直してみたり「やってみた」を大事にしています。中古車系記事の監修は、一般社団法人日本リユース業協会の実施するリユース検定に合格した「リユース営業士」が行っています。整備記事の一部は、現役ディーラーマンが監修や執筆を行っています。

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