車のトラブルで最悪な部類の一つは、フロントガラスに突然ヒビが入ることです。
高速道路を走行中に飛び石が飛んできたときは避けようがありませんが、実は知らないうちにガラスにキズがついて、あるとき急にヒビが広がることもあるのです。
バッテリー上がりも最悪ですが、交換すれば何とかなります。フロントガラスのヒビも同様に交換するしか手はないのでしょうか。
車検に通らないこともあると聞くと、交換費用も頭に浮かんで「トホホ…」と嘆きたくなります。
できることなら修理や交換の費用は安く済ませて車検を通したいですが、意外なローテクが通用します。
フロントガラスの交換は保険を使う場合もあるので、簡単なリペア修理の方法から車両保険の知識まで解説します。
フロントガラスに飛び石の傷があっても車検は通る?
フロントガラスに飛び石のキズがあると、基本的に車検は通りません。
但し「亀裂が何センチあると車検には通らない」という明確な保安基準はないので、検査官が判断します。
ヒビが入っていても視界が確保され、安全性に問題がなければよいので、フロントガラスに10~20センチの亀裂が入っていても車検に通ることが稀にあります。
運転席側のヒビは厳しくチェックされますが、助手席側のヒビは車検に問題ない場合が多いようです。
しかし線状の亀裂が運転席側に拡大すると、運転席の視界を妨げて安全性の面でアウトとされることもあり、やはり判断は検査官次第なのが現実です。
フロントガラスの車検基準って?
フロントガラスの保安基準には以下の2点があります。
- 損傷しても運転者の視野が確保できること
- 容易に貫通しないこと
ヒビは広がるからダメでも欠けは安全性でOK、またキズがあってもリペアの補修痕があればよい場合があります。
フロントガラスの車検基準
フロントガラスの傷の種類
ほとんどが高速道路などを走行中の、飛び石によるキズです。フロントガラスに点状のキズ、または線状の亀裂が入ります。
キズの大きさは様々で、単に欠けたりえぐれたりしただけの場合から、100円あるいは500円硬貨くらいの大きさのこともあります。
線状のヒビが入ると目も当てられません。1センチ程度のキズでも修理不可能と判断されることがあります。
ヒビはフロントガラスを交換すれば問題ありませんが、拡大していくかどうか、修理可能かどうかは、運を天に任せるしかありません。
多少のヒビならリペアキットで修理
フロントガラスに入った多少のヒビは、リペアキットで補修します。
えぐれた程度、または100円硬貨くらいの傷なら、飛び石リペアキットや補修液を使えば直すことができます。
アロンアルフアなども大丈夫です。車検を通すには補修痕があればよいので、接着剤を垂らした跡があれば、フロントガラスに亀裂があっても車検に通ることがあるからです。
リペアを止めておいた方が良い場合って?
100円硬貨程度の大きさのキズなら、リペア修理で対応することも問題ありませんが、亀裂が500円硬貨を上回る大きさになると、大体はフロントガラスの交換を勧められます。
線状のヒビは完全に交換を勧められるでしょう。リペア修理で対応できた場合でも、あくまで応急処置でしかありません。
応急処置後は早い時期にカーディーラーや修理工場で、フロントガラスを交換することになります。
リペアの料金相場がわかる!
ヒビが入ったフロントガラスを直さないとどうなる?
亀裂の程度が安全性を損なうと判断されれば、車検には通りません。
またガラスは温度変化で伸縮する性質があるので、走行中の振動や温度変化で亀裂がさらに広がり、危険度が更に大きくなります。
直さないとどうなる?
どうして?フロントガラスにヒビがあるのに音がしなかった!
過去に高速道路などで跳ね上がった飛び石がフロントガラスに小さなヒビを入れ、それが少しずつ広がっていきます。
最初は3~20ミリくらいの極小の傷ですが、目視では専門家でないと見つけられません。
セラミックの部分(ガラス周りの黒い部分)に当たると、セラミックの下の接着剤や発泡ゴム製のダムシールドが音を吸収するため、ガラスに当たっても音に気づかないことがあります。
キズは1時間くらいで徐々に広がることもあれば、4年くらい経ってようやく広がることもあるのです。
自分で飛び石による傷を直す
リペア剤を使えば、目立たない程度までキズを補修することもできます。
アロンアルフアなどの接着剤を垂らしたり、セロテープを貼ったりしても車検に通ることがあり、何もしないよりはマシです。
但しガラスは一度キズがついてしまうと、モロくなります。
自分でフロントガラスのキズを直すと、補修したつもりが更にキズを広げることがあるので、最終的にはフロントガラスを交換することになることも。
ヒビ割れの応急処置の方法って?
最も確実な方法は傷穴から水やゴミが侵入しないよう、マスキングテープを貼ることです。
ビニールテープやガムテープは粘着力が強すぎるのでダメです。100均でUVレジン液を買って貼るのも、後で修理施工ができなくなるので控えましょう。
応急処置として5センチくらいのキズにセロテープを貼っただけで、何と半年くらい持った実例もあるのです。
セロテープのような「ローテク」でも、何もしないよりは遥かにマシということがわかります。
フロントガラスを交換するなら費用はどれくらい?
車種やグレード、ガラスの質や交換作業をカーディーラーや修理工場に依頼するかによって金額は異なります。
専門家やガラス専門店に見積もりをとって比較しましょう。車種によっては500,000円になることもあります。
一般的な交換費用
- 軽自動車:50,000~70,000円
- 普通車:70,000~100,000円
フロントガラスの種類は、純正ガラスから輸入品のガラスまでピンからキリというのが実情です。
社外品よりも純正品の方が高いので、純正ガラスに交換するなら10万円程度は覚悟しましょう。
またフロントガラスの交換作業は、正規カーディーラーやガラス専門店、または修理工場に施工を依頼するのが無難です。
フロントガラスを交換するまでは応急修理が必要な場合もありますが、保険会社によっては6インチ(約15センチ)までのキズなら無償で応急処置を行う会社もあります。
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フロントガラスのヒビは保険で直せる?
フロントガラスのヒビはもちろん任意保険で直すことができますが、ほとんどの場合は相手を特定できない事故のため、車両保険を使うことになります。
車両保険で直すと翌年から等級がダウンし、保険料が高くなります。
最近は修理費用によっては車両保険を使わず、自腹で直した方がトクになるケースが知識として浸透しています。
見積もりをとって、保険料がダウンする期間の保険料の合計と施工費用を比較した上で、車両保険で直すか自腹で直すか検討しましょう。修理費用200,000円程度が一つの目安です。
また免責金額をいくらに設定しているかによっても、車両保険を使う判断が変わってきます。
保険会社の担当者によく確認してみてくださいね。
まとめ
フロントガラスのヒビは車のトラブルでも最悪の部類で、キズの程度によっては車検に通らないと知ると、頭を抱えたくなりますね。
交換作業の費用も車種によっては、給料1か月分が吹き飛んでしまいます。
最終的には交換するとしても、リペアなどの応急処置の方法を覚えておけば、フロントガラスのキズが広がる事態を抑え、交換費用を安く済ませることができます。
補修痕があればよいので、セロテープを貼るだけの「ローテク」が通用するのは、意外な発見です。
フロントガラスのキズは、車両保険を安易に使うと等級がダウンしてかえって損することもあります。
この機会にリペア修理の方法と、車両保険を使う場合の判断材料も覚えて、緊急事態に落ち着いて対応してくださいね。
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