車からある日突然焦げ臭いニオイが漂ってきたら、ゾッとしますね。
毎日通勤、送迎や買い物に使っている人は、「修理にいくら必要!?」とただ事ではないでしょう。自分で対処する方法があるなら知りたいところです。
ブレーキの加熱やオイルの磨耗またはベルトの緩みが原因など、最終的には点検や交換が必要な場合もありますが、「なぁんだ」と拍子抜けしたくなる原因が多いのです。
自分で対応できる簡単なトラブルのパターンを知れば、慌てないですみますね。
早速ニオイの原因や対処法をご紹介していきます。
車のエアコンから焦げ臭いニオイがする原因は?
エアコンから焦げる臭いが漂う原因はオイル漏れやクラッチの摩耗、ベルトの緩みなど点検が必要なものもあれば、単に外気が漂ってきただけという拍子抜けする原因も存在します。
レジ袋などのビニールがマフラーやエンジンの熱で焦げている
焦げる臭いの原因は色々ですが、レジ袋などのビニール類が走行中マフラーに巻き付き、熱で焦げて臭いが漂うことがあります。
またエアコンはエンジンルームの近くにあるので、ボンネットを開けたらビニールがエンジンルームに入り込み、同様に熱で焦げて臭いを発することもあるのです。
ビニール類は除去すれば問題ありませんが、車内が焦げ臭い時は電気系統のトラブルが考えられ、火災になる前に早急な修理が必要です。
原因がビニールでないときは点検が必要だブー
サイドブレーキの戻し忘れ
意外と多いミスがサイドブレーキの戻し忘れです。
引きが本当に微妙な位置にあると、サイドブレーキを引いたままでも車は走ってしまいます。
走り出すとすぐには気付かないので、ある程度の距離を走る間にブレーキパッドが擦れて焦げる臭いを発します。
筆者も一度やってしまいましたが、幸い次の赤信号で戻し忘れに気が付き、臭いを発するまでは至りませんでした。
サイドブレーキを引いたままのときは、メーター内に「!」の警告灯が点灯しています。
焦げ臭いと感じたとき、この警告灯が点灯していればサイドブレーキの戻し忘れが原因です。
ブレーキの加熱やクラッチディスクの摩耗
ブレーキが加熱すると、炭が焦げたような臭いを発します。
長い下り坂が続くとブレーキを使いがちになり、ブレーキが熱を持って車内に焦げ臭いニオイが充満します。
筆者も一度経験がありますが、同乗者が「焦げ臭い!」と言うので停車して外に出たら、前輪ブレーキより煙が上がっていました。
数十分停車してブレーキを冷ます必要があるブー
またマニュアル車の場合はクラッチが磨耗すると、金属同士が接触し合うような臭いが漂います。
原因がクラッチにあるとは一般の人は分かりづらいと思いますが、車内にも漂ってくるので臭いの存在はすぐ気が付く筈です。
放っておくとクラッチの摩耗が進んでギアが入りにくくなる他、修理代が十万単位に上ってバカにならなくなります。
新しいパーツ類のコーティングが気化している
車が新車の時、またはパーツの類が新しい状態の時は表面にコーティングが施されています。
施されたコーティングが気化する時は、ビニール類が焦げるような臭いを発する特徴があるのです。
あまりにニオイが気になる場合は、新車一ヶ月点検などで診てもらうと良いでしょう。
単純に外気が臭いというケースもある
エアコンから焦げ臭いニオイが漂って来たら、慌てずにスイッチを内気循環または外気導入、どちらかに入れ替えてみましょう。
外気導入はワイパーの付近から外気を取り入れるので、外気導入にした途端に焦げ臭いようなら、付近の外気の臭いが車内に侵入している可能性があります。
知らずに外気循環になっていて、単純に外気のニオイが漂って来ただけというケースは多いのです。
トンネルに入った瞬間にエアコンのニオイが気になる場合は、外気取り入れになっている可能性が高いです。
外気取り入れなんて臭いだけだブー!
このように感じる人は多いかもしれませんが、エアコンを内気循環だけで使用するのは危険です。
詳しくは「内気循環を活用する」をご覧ください。
それでも車のエアコンが焦げ臭いなら故障かも
原因が思い当たらないのに焦げ臭いニオイが漂う時は、いよいよ故障の疑いがあります。
よくある原因をご紹介します。
エンジンルーム内のパーツが劣化して落下している
エンジンルーム内は高温になるため、パーツが劣化して落下することもあります。
そしてエンジンルーム内のカバーが劣化してボロボロになり、マフラーに破片が落ちて焦げることもあるのです。
また車が古くなりエンジンオイルが燃焼しない状態だと、加速した時に焦げ臭い臭いがして白煙が上がる「オイル上がり」と呼ばれる現象が発生します。
スパークプラグやイグニッションコイル等のパーツが劣化して、異臭や振動が発生することもありますね。
エンジンルームを開けたときに焦げたニオイが強烈になる場合は、パーツの劣化が原因かもしれません。
エンジンルーム内の点検方法は、下記の記事を参考にしてください。
エンジンオイルが漏れてマフラーに付着している
オイル漏れは可能性が色々考えられるので、一つに絞って断言できませんが、漏れたオイルがマフラーに付着してニオイの原因になっている可能性もあります。
オイルは火災の危険があるので早く整備工場で点検してもらいましょう。
注入して溢れたオイルが高温になるパーツに付着して、焦げる時も異臭が発生します。
その場合オイルを除去する必要がありますが、時間はかかるものの、付着したオイルが全て焼かれれば異臭はしなくなります。
ファンベルトなどが緩んでスリップを起こしている
ベルト類、特にファンベルトの張りのトラブルはゴムがスリップを起こし、摩擦熱で焦げ臭いニオイが発生します。
ベルトに異常があると「キュルキュル」という異音も伴います。
ベルト鳴きについては「ファンベルトの鳴き」をご覧ください。
ファンベルトが切れると車は走れなくなります。目視で確認し、異音も聞こえるなど「おかしいな」と思ったら整備工場で見てもらいましょう。
EV車やPHV車の充電時ならコネクターに原因がある?
EV車やPHV車はガソリン車ほど異臭は発生しません。
しかし充電中の異臭は、電気系統の異常が考えられます。
コネクターのプラグが接触不良、または過充電の可能性があるのですぐ充電を中止して下さい。
予備のコネクターに交換するか、ディーラーに相談しましょう。そのまま使うとバッテリー本体に影響することもあるからです。
車が焦げ臭いのって消臭剤で消える?
焦げ臭いニオイが故障によるものでなければ、消臭剤で消すことが出来ます。
外気取り入れで外のニオイが入ってしまい、車内に染み付いてしまうこともあります。
こうしたときは消臭剤の出番だブー
スチームでまるごと消臭するタイプなら、スプレータイプよりもエアコンのフィルター部分をしっかり消臭するので、エアコンが焦げ臭い時も大丈夫ですね。
二酸化塩素を使うタイプはシートの下に設置するので目立たず、無臭なので焦げた臭いと混ざることがないので他の製品と併用可能です。
臭いが消えないならディーラーや整備工場で点検を受けよう
当てはまる原因がないのに異臭が消えない時は、車の故障を疑いましょう。
車が発する異臭は何らかのトラブルを表す可能性が高いからです。
一般のドライバーがその場で対処できるケースは皆無でしょう。
但し臭いがどこから漂って来るのか、ガソリンあるいは炭が焦げるような臭いか、感覚も覚えておくと良いですね。原因とトラブルの対応が立てやすくなるからです。