待ちに待った新車の納車!早く乗りたくて、何日も前から待ちきれず、キーを受け取ってエンジンをかけようとしたら、オドメーターが見え、「100km」の数字。
新車なのにこんなに走っているって、変ですね。
オドメーターの数字が余りにも大きかったら、新古車を押し付けられた疑問がわいてきます。新車が納車されるときの走行距離は、業界特有の事情があるようです。
新車の走行距離をめぐる状況と、納得できないときの対応策を解説します。
新車は納車まで何km走るか?
一概にはいえませんが、メーカーは納車までの走行距離は10km程度と考えているようです。
筆者がE-PS13型シルビアに乗っていたとき、納車時の距離は11km、その次に乗ったキューブキュービックで22kmくらいでした。
22kmはシルビアの時より少し長いですが、疑問には思わず、「納車までこれくらい走るのか」と思っただけでした。
トヨタ レクサス NX 300hの走行距離
走行距離の目安!新車は納車前にどこを走る?
新車は、ラインから出ていきなりクレーンで運ばれるわけではありません。完成した車をラインから船や、キャリアカーに乗せるまでは自走するので、多少の走行距離が発生します。
ディーラーが人口密度の低いところにあると、取り寄せるまでかなりの距離を自走することもあり、オドメーターが80kmくらいになることもあります。
遠方の場合は特別ですが、ラインから出るとだいたい10~20kmは自走することになります。
納車前に距離が多くなる事情
ディーラーに届いたあと、オプションの取り付けや、点検によって走行距離が増えることもあれば、一定の割合で抜き打ちの走行試験など、各種の抜き取り検査を行うことがあり、抜き取り検査を受けると距離が増えることがあります。
外車の場合、走行テストが厳しいのでさらに走行距離が増え、納車のときにベンツは50km、フェラーリは100kmも走ることがあるそうです。
納車の走行距離はゼロにならない?
ラインから出たあと、納車場所へある程度自走するため、納車のときに走行距離が0であることは、不可能です。しかし、納車のときに走行距離が540kmもあると、新古車では?と疑問がわきます。
もう一つの例は、オドメーターが全く動いていないのでディーラーに確認すると、移動で30km自走したことを隠すために、回線を結ぶカプラーが故意に外されていました。
「本当に新車なのか!?」と受取りを拒否したくなりますね。こんなとき、どうしたらよいのでしょうか?
納車の走行距離がおかしいと思ったときの対策
自動車販売店は、「未登録の車」「製造から短期間経過した車」「必要最低限の走行しかしていない車」を納車しなければなりませんが、一方で新車の定義は、一度も登録されていないことであり、走行距離の問題ではありません。
しかし、納車のときに540kmも走っていれば、ディーラーは「テスト走行を繰り返した」と言い張るでしょう。
納得できなければ、中古車査定サイトに車種・年式・走行距離を打ち込み、20kmと540kmの価格差をディーラーに請求するのも一つの方法です。
オドメーターのカプラーを外していた場合は、30kmの距離はともかく、隠蔽しようとした行為は悪質なので、受取りを拒否するか、受取りに細かい条件をつけてはどうでしょうか。
交通の危険の場合
納車場所を指定するときの注意
新車を買うとき、店頭納車が多いと思います。
納車場所を店頭以外に指定する場合、走行距離のトラブルを避けるには、自走またはキャリアカーで納車されるのか、納車前に確認しておきましょう。
展示用の車が納車!本当に新車?!
実例ですが、ディーラーに在庫がなく、展示用の車が納車されることになりました。
納車のスケジュールは予定より早まりましたが、展示車を新車と偽って納車されることはないのか、疑問がわいてきます。
結論は展示用の車も新車で、心配ありません。
展示用のために車をつくることはなく、売れ筋の車の展示車を納車すると、他の客に見せる車がなくなるので、展示車を納車することは稀です。
新車の慣らし運転はやっぱり必要なの?
新車の慣らし運転は時代遅れのアドバイスと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
ここでは、なぜ新車の慣らし運転が重要なのかを説明し、自動車メーカーによって異なる方法を探っていきます。
慣らし運転の知識
慣らし運転とは?
新車の慣らし運転とは、新しいエンジンを徐々にあたりをつけていく作業です。
正しく行うことで、部品のシールや潤滑油の状態を整え、エンジンの性能と寿命を向上させることが可能になります。
新車の慣らし運転は、メーカーによって異なり、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動など車種によっても異なることがあります。
なぜ新車の慣らし運転が必要なのか?
慣らし運転では、エンジンやその他の部品が緩み、効率的かつ安全に走行できるようになります。
適切な慣らし運転が行われないと、エンジンの性能に問題が生じ、適切に慣らし運転が行われた車の半分程度しかエンジンが持たないこともあります。
自動車メーカーによる違い
新車の慣らし運転は、各メーカーによって若干の違いがありますので、取扱説明書で具体的な方法を確認することが重要です。
一般的に、新車の慣らし運転では、最初の数百キロは速度を変化させ、全開走行は避けるようメーカーが推奨しています。
また、急ブレーキや急加速・急減速も避けるようにしましょう。最新のエンジンでは、最初の数千キロを走行した後にオイル交換をすることも推奨されています。
具体的な慣らし運転の手順
メーカーにより多少の違いはありますが、具体的な慣らし運転の手順は以下の通りです。
- 最初の数百キロは、エンジンを全開にしない
- 最初の数百キロは、加速を控えめにする
- 急加速、急減速は避ける
- エンジンの回転数を段階的にあげていく
走行距離が伸びすぎていたら対策を
- 納車のときの距離は、だいたい10~20km。
- ディーラーが遠方の場合、80kmになることもある。
- 外車は走行テストが厳しく、50~100kmのときもある。
- 展示用の車が納車されても、新車なので問題ない。
納車の際、走行距離が伸びすぎていないか確認し、受け取り拒否か点検のオイル交換を無料にしてもらう条件をつけるなど、対抗策を考えましょう。
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