車の値引き交渉は、テーブルを挟んでお客と営業マンが静かに火花を散らす、一種の戦いです。
お客は1円でも安く買いたいし、営業マンは1円でも値引きを抑えようとせめぎ合います。
営業マンは、目の前のお客から契約をとろうと力が入ります。
営業マンは苦手という人は、車の値引き交渉はどれくらいの期間と回数が必要か、知りたいでしょう。
納得いく値引きを引き出すには、何が必要でしょうか?
商談の基本的な流れと、営業マンとの戦いを制するコツを解説します。
車の商談は1か月くらい
車は、家と並んでとても大きな買い物です。
コンビニで買い物をするように、「この車が欲しい」と、いきなりレジには行かないですよね。
買う車を決めたら、最初は試乗して見積りをとります。このとき、まだ値引き交渉はしません。
2回目は、競合店から見積りをとって条件を比較し、ここから値引き交渉が始まります。3回目で、最終的に値引き交渉を詰め、契約に至るのがだいたいの流れです。
競合店を複数回ることも考えると、車を買う意志を固めてから商談の回数は3回くらい、契約までの期間は1か月くらいと考えましょう。
どれくらい値引き交渉できる?
車を買うとき、だいたいは希望小売価格よりも数パーセント、最大で10パーセントくらいの値引きが行われます。10パーセントくらいが値引き交渉の限界です。
在庫がふくらんでいるときや、モデル末期の車は10パーセントを越える値引きを提示することもあります。
営業成績が苦戦しているときは、値引きが大きくなることもあるので、営業成績の見通せそうな月の半ば過ぎてからの商談も、コツの一つです。
スムーズな商談のコツ
最初から値引き交渉して買おうと肩に力をいれず、少しでも安くなったらいいなと、リラックスして商談に臨みましょう。
営業マンは契約をとる以前に、お客のニーズをつかむことが仕事です。いきなり「安くしてくれ」では、お客のニーズがわからないので、値引き交渉の要素を見つけることができません。
他の車を試乗してわかったこと、困ったことを相談しながら「これくらいの金額で」と自分の考えを伝えてみましょう。
上から目線で「安くしろ」よりも、会話のキャッチボールを繰り返していい関係を築き、営業マンに「何とかしてあげたい」と思わせることが、商談のコツです。
見積りから余計なものを削る
車の値引き交渉のコツは、ディーラーの見積りは余分なものが含まれているので、必要ないものは削ることも大事です。
車両本体の値引きは限界がありますが、オプションは価格を高めに設定しているので値引きしやすく、オプションの値引き交渉を積極的に行って取り付け料金をサービスしてもらえば、トータルで買いやすい金額になります。
いたずらに引き伸ばさない
商談がクライマックスに達し、営業マンが「ここでお決めいただいたら、あれもこれもおつけします」と、背中を押してきました。
さらに粘り、その場で提示された条件を、次の日に別の店で見せればさらに安くなりそうな気がしますが、残念ながら値引き交渉には限界があります。
やたらと引き伸ばすと、好条件を提示してきた営業マンの熱意も冷め、期間と回数が長くなって消耗戦で終わります。
車の商談にゴネ得はない
やたらと「安くして!」と連呼することが、値引き交渉のコツと思いこんでいる人がいます。
競合店から見積りをいくつもとったあとで、テーブルに案内されて、いきなり「いくら引いてくれるの?○○店はこれだけ引くよ」と迫るのは、いけません。
責任者なら権限がありそうと、いきなり「店長を出せ」と要求するのも、商談のコツではありません。
機先を制したつもりでも、店長は最終決裁者なので「これ以上は無理です」と言われたら、打つ手がなくなります。店長クラスの値引き交渉は、渋いのが実情です。
しつこくゴネた挙句、「当店では買っていただかなくて結構です。お帰りください」と追い払われた人もいます。
営業マンが時々使う裏技
営業マンがいきなり好条件を提示しました。
「それなら買いましょう!」、営業マンは「契約は次回に」となりシメシメ。しかし、営業マンが仮契約しません。
次の日、営業マンから申し訳なさそうに電話があり、「上司に報告したら、今回の条件では商売にならないので、なかったことに…」渋々、営業マン主導で車を買うことになりました。
ローボールテクニックとは、とりやすい低いボールの例えで、一度好条件を提示されると、条件が変わっても断りにくくなり、普通の交渉より成功率が高くなるのです。
営業マンも必死なので、こうしたテクニックを使うことがあります。
「少しでも安く」より「いくらなら買う」
車の値引き交渉はもめたり、話が進まなくなったりで、すんなり進まないものです。
むしろ小細工なしに、スッキリと「いくらにしてくれれば今日決めます!」と伝えるのもコツです。
営業マンもややこしいことは避けたいし、期間や回数をかけずにすんなり決まるなら、頑張ろうと意気に感じるところがあります。
すべての商談とは限りませんが、目標以上の値引きが期待できることもあります。
まとめ
- 車の商談の期間は1か月、回数はだいたい3回くらい。
- 値引き交渉はだいたい10パーセントが限界。
- 営業マンと会話しよう。
- 余計な見積りを削る。
- ゴネ得や「店長を出せ」は通用しない。
- ローボールテクニックに気をつける。
心が通じ合えば、営業マンは意気に感じるところがあります。いい関係を築けば、何とかしてあげたいと値引き交渉も頑張ってくれるでしょう。