2006年の道交法改正から、駐車違反の運転者が特定できない場合、クルマの使用者に対して放置違反金の支払いが科せられています。
放置違反金は抜け穴のような問題点があることから、正直なドライバーほどバカを見るという不満や批判もありますが、本当に逃げ得の制度なのでしょうか?
放置違反金の制度について、ポイントを詳しく見ていきましょう。
違反点数は科されない 正直者がバカを見る?
この制度は、クルマの所有者に対して放置違反金を科し、所有者には違反点数も加算されません。
所有者が実際に運転していたかどうかわからないのに、違反点数を加算するわけにはいかないからです。
車の所有者が実際に運転して駐車違反をしたにもかかわらず、所有者として反則金を払って違反点数も加算されずに終わりということもあり得ます。
さらにドライバーが所有者の車で駐車違反をした場合、所有者が罰金を払い、ドライバーは後で罰金を返せば済むということもあり得ます。
正直に出頭して違反を認め、違反点数を加算されたドライバーからすれば、正直者がバカを見るだけという不満があっても不思議ではないです。
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ドライバーではなく所有者に違反金を科す
従来の道交法では、駐車違反のクルマを発見したら、ドライバーが戻ってくるのを待って摘発していました。
ドライバーを特定して摘発するためですが、ドライバーが何時間も戻ってこない場合は時間がかかり、効率の悪さが問題でした。
改正された道交法では、ドライバーの特定ができない場合、車の所有者に対して放置違反金の支払いを命じることになりました。
自己所有はもちろんですが、レンタカーの駐車違反も注意が必要です。
放置違反の反則金と点数は?
従来のように、チョークで印をつけて30分程度時間が経ってから摘発ということはしないで、確認標章というステッカーを貼って、後日に警察へ出頭を命じます。
出頭しなくても、納付書が送られた後に放置違反金を納付すればそれで終わりです。
放置違反金は決して逃げ得ではない
放置違反金は正直者がバカを見る制度のようですが、細かく見るとそんなに上手い話ではありません。
放置違反金は、普通の駐車違反の反則金よりも高く設定されています(普通車の場合、駐車違反の10,000円に対して放置違反金は15,000円)。
反則金を無視するとヤバい
それだけではなく、半年の間に3回放置違反金の納付を命じられると、20日間クルマの使用が制限されてしまいます。
また、確認標章を貼られてから30日後までに納付しない場合、車検を通すことができなくなる他、年利14.5%の延滞利息が加算されます。いつまでも納付しないと、最終的には財産を差し押さえられます。
納付書には弁明書がついてきますが、弁明が認められることはほとんどありません。
放置違反金の支払い方法は?
車に確認標章を貼られて、放置違反金の支払いを命じられたとしたら・・・
放置違反金はどのように支払えばよいか、気になりますね。
放置違反金も自動車税などのように金融機関や郵便局で支払うことになります。
しかし金融機関や郵便局では、窓口が開いている時間に限られ夜間や土日祝日は利用できません。
放置違反金の支払い方法
納付期限に遅れる心配がありますが、放置違反金は時間を気にしないで済む簡単な支払い方法が設定されています。
放置違反金はコンビニで簡単に支払い可能
放置違反金は、バーコードがある納付書ならコンビニで納付することもできます。
警察に出頭しなくても、仮納付書が送られた後に放置違反金を納付すればそれで終わりです。
セブンイレブン、ローソンなど、大手のコンビニはもちろん、中小のコンビニでも支払いできます。
収納率を上げるために、だいたいの公金はコンビニ支払いが可能ですが、放置違反金も同様です。また、警視庁管内や一部の公安委員会では、ペイジーでの支払いも可能です。
納入通知書が期限切れの場合は?
仮納付書の支払い期限を過ぎてしまうと、バーコードが印刷された仮納付書で支払うことはできなくなります。また、仮納付書は再交付されません。
しかし、そのあとで送られてくる「納入通知書」で所定の金融機関で支払い期限までなら支払うことができます。
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まとめ
放置違反金の制度は抜け穴のような点があり、正直者がバカを見るという批判はもっともです。
しかし、ドライバーは所有者が払った罰金を返せばいいこともあり得ますが、罰金を払う行為ほどバカバカしいことはありません。
車の所有者も、何度も同じようなことをされると、リスクが大き過ぎてあなたにクルマを貸すことはしなくなるでしょう。
所有者も、自分が駐車違反を繰り返せばクルマの使用が制限されます。
放置違反金の制度は、決して逃げ得ではないのです。
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