レンタカーで飛び石!普通に走ってただけで弁償?まさかの損害をゼロにする方法

高速道路を走っていて「コツン」と音がした次の瞬間、フロントガラスにヒビが…

あわてて路肩に車を停め、頭をよぎるのは修理代のこと。

所有者であるレンタカー会社自身が、保険で修理するのではないかと考えるかもしれませんね。

レンタカーで飛び石事故に遭ってしまったときにどうするべきか、いくらの修理代が必要なのか、詳しくご紹介します。

目次

飛び石被害に遭ったらまずやること

レンタカーで飛び石被害に遭ってこの記事を読んでいる方は、下記を参考にしてください。

すぐにやることリスト

  1. 安全な場所に停車し、警察に連絡
  2. 交通事故証明書を発行してもらう
  3. レンタカー会社に連絡する

警察へ連絡する方法は、一般道と高速道路で異なります。

  • 一般道:飛び石の場所(事故発生場所)を覚えて最寄りの交番へ
  • 高速道路:安全に止まれる場所(SAやPAなど)で110番
  • 高速道路(自走不可):路側帯などに車を移動した後、安全を確保した上で110番

詳しくは「警察への連絡方法」をご確認ください。

焦らず、慌てずに、二次被害を防ぐためにも安全を確保することを最優先してください。

身の安全を確保し、周囲に対する注意喚起をしっかり行った上で対応しても十分間に合います。

気が動転して被害が拡大してしまう前に、まずは運転者としての義務をしっかり果たすことが大切です。

レンタカーの飛び石は警察に連絡するべき?


レンタカーで飛び石被害に遭ってしまった場合は、どんなに些細な傷でも警察に届け出る必要があります。

ブーまる

最悪の場合レンタカーの保険が使えない可能性があるブー

レンタカーは借りる際に保険に加入しますが、飛び石まで補償されるタイプとされないタイプがあります。

もし前者に加入しているなら、警察が発行する「交通事故証明書」が必要になります。

交通事故証明書は警察が発行する公的な書類であり、事故が起きた日時や場所はもちろん、事故を起こした人の名前までしっかり記入されます。

警察が発行しているということは当然その場で免許証の確認がありますし、その時点で飲酒運転などもないことを確認されます。

レンタカーの規約において、飲酒運転や保険加入者以外が運転していた場合は保険が使えないことがほとんど。

警察にしっかり事故内容を証明してもらい、後日保険を使う際にトラブルが起きないようにしましょう。

警察への連絡方法

警察へ連絡する方法は、一般道と高速道路で異なります。

  • 一般道:飛び石の場所(事故発生場所)を覚えて最寄りの交番へ
  • 高速道路:安全に止まれる場所(SAやPAなど)で110番
  • 高速道路(自走不可):路側帯などに車を移動した後、安全を確保した上で110番

一般道で飛び石による被害が小さく、自走が可能な場合は最寄りの交番へ出向きましょう。

高速道路を走行中であれば、自走可能なら最寄りのパーキングエリアやサービスエリアに停車した後に110番に連絡しましょう。

ガラスの損傷が激しく安全に走行できない可能性が高い場合は、車を路側帯などに移動した後、三角表示板などで後続車両へ注意喚起を行い、その後110番に連絡しましょう。

110番に連絡するかどうか迷う場合は、道路緊急ダイヤルを活用するのも良いでしょう。

道路緊急ダイヤル
#9910
24時間受付

ブーまる

NEXCOではこのようにアナウンスしているブー

万一、落下物による車両損傷が発生した場合は、高速道路上であれば、110番もしくは非常電話等を利用して通報してください。道路管制センターにて交通管理隊を出動させるとともに、情報板を点灯し、二次事故防止のための後続車両への注意喚起を行います。また、事故として警察へ届出いただきますよう、お願いいたします。

引用:NEXCO東日本「落下物が原因で車に傷がつきましたが、どうすればいいのですか。」より

上記は落下物に関する対応方法ですが、飛び石の場合も同様の対応が求められます。

詳しくはNEXCOが公開している動画が参考になります。

高速道路で停止する際の対処法

飛び石の場合は自走できる可能性が高く、事故のリスクを回避するためにもパーキングエリアやサービスエリアまで移動するのが望ましいですね。

レンタカーは借りる前に保険内容をしっかり確認すべき

レンタカーを借りるとき、もちろんレンタカーには自動的に保険がついています。通常は対人・対物ともに無制限です。

レンタカーを借りる人は運転に慣れている人から初心者までいろんな人がいるので、保険をつけなければレンタカー会社は怖くて貸せませんよね。

保険料は、レンタカーを借りる料金に含まれています。

ただし、利用料金に含まれる保険は必要最低限のもので、飛び石などの自損事故はカバーしきれない可能性があります。

2種類あるレンタカー保険
  1. 無料付帯の保険:対人対物は無制限だが、自損事故は免責あり
  2. 追加料金の保険:自損事故やトラブルにも適用(免責なし)

また、自分が入っている任意保険の他車運転特約で対応することもできますので、自分で自動車保険に加入している場合は、レンタカーでも適用可能かどうか調べておくことをおすすめします。

飛び石は免責金額を請求される可能性あり

無料付帯の保険だけだったとしても、飛び石の修理代金が全額請求されるケースは多くないでしょう。

レンタカーに標準で付帯する保険にも、自損事故に対する最低限の補償がついているのです。

ブーまる

”最低限”ってのか気になるブー

保険には「免責額」というものが設定されており、修理代金が発生する場合に「この金額までは自己負担してください」という仕組みになっています。

追加料金を払って保険に加入しておくと、この「免責額」というのが0円になるのです。

レンタカー会社の免責補償制度ってなに?

レンタカーの保険には免責があります。

車両保険の対物補償が免責5万円とすれば、修理代が5万円までの事故は自分が負担しなければいけません。

つまり、修理代が10万円かかった場合、5万円は自己負担額ということになります。

そこで、免責補償制度に加入していれば、免責金額の分は免除されます。

ブーまる

有料の追加保険のことだブー

免責補償制度は1,000円程度で加入でき、本来支払うべき免責分の5万円を払わなくて済むならありがたいですね。

また、レンタカーで事故を起こしたときは「ノンオペレーションチャージ(NOC)」という休業補償が発生します。

傷や汚れがひどいと、修理でお客さんにしばらく貸せなくなるので、その間の賠償が必要になるのです。

金額はレンタカー会社によって多少差がありますが、自走で営業所まで帰ってこられたときは2万円、そうでないときは5万円かかります。

NOCも大きな金額なので、NOCを補償するプランもあるので検討してみましょう。

ニッポンレンタカーの場合、NOC補償サポートを利用すると1日432円です。

参考:ニッポンレンタカーの事故サポート

レンタカーで飛び石したらいくら必要?

レンタカーで飛び石被害に遭った場合の自己負担額は、加入している保険の種類によって大きく変わります。

ここでは、各パターンでの必要金額を詳しく見ていきましょう。

ブーまる

金額の早見表を紹介しておくブー

保険の種類NOC特約なしNOC特約あり
基本保険(無料)最大7万円5万円
安心保険(有料)2万円0円
飛び石の負担金額

保険の種類別自己負担額

保険は下記の2種類、そこにNOC(ノンオペレーションチャージ)特約の有無が入ります。

  • 無料の基本保険
  • 有料の安心保険

1.無料の基本保険だけの場合

  • 免責額:5万円
  • NOC(ノンオペレーションチャージ):2万円
  • 合計:最大7万円の自己負担

2.有料の安心保険に加入した場合(1,000円程度)

  • 免責額:0円
  • NOC(ノンオペレーションチャージ):2万円
  • 合計:2万円の自己負担

3.NOC特約をプラスした場合(1,500円程度)

NOC特約は、NOCの2万円を0円にするオプションです。

  • 基本保険+NOC特約
  • 免責額:5万円
  • NOC:0円
  • 合計:5万円の自己負担
  • 安心保険+NOC特約
  • 免責額:0円
  • NOC:0円
  • 合計:0円(自己負担なし)

NOC特約だけつけられるかどうかは、レンタカー会社によって異なります。

保険内容は各社大きく変わりませんので、上記を参考にレンタカーを借りる前に保険内容を確認しましょう。

ブーまる

保険は後から入れないブー

覚えのない傷でも修理費を請求される?

レンタカーを返却するときに揉めるのが、自分には身に覚えのない傷に対して修理代を請求されるケースです。

レンタカーを借りる前に、チェックシートで車体を確認して傷をチェックしますが、借りる前に既に傷があっても気がつかないことがあります。

あとで指摘を受け、修理代を請求されて揉める典型的な例です。

レンタカーを借りる行為は使用者責任が発生し、自分が運転しているときにつけた傷ではないと証明できない限り、修理代を請求されてしまうのです。

こんなことにならないように、チェックシートをしっかり確認し、気になるなら慎重に慎重を重ねて、車の下までもぐり込んで傷の有無を確認した方がよいでしょう。

【実録】レンタカーのフロントガラス破損の一部始終

筆者が体験した、レンタカーでの飛び石事故の一部始終をご紹介します。

楽しい旅行のはずが飛び石による事故発生!

飛び石で割れたガラス

友達と2人で北海道旅行に行った時のことです。

電車よりも車を使って北海道内を回るということでレンタカーを借りました。

北海道に着いて3日目に旭川から札幌に行くことになり、高速道路を走行していた時のことです。

大型トラックが凄いスピードで迫ってきたので車線変更をして前に行かせました。

自分の車をトラックが追い抜いて前に車線変更してきた、その瞬間。

石が飛んできてフロントガラスに直撃しました。見事にクモの巣状にヒビが入ってしまいました。

どうすれば良いか分からずレンタカー会社へ連絡!

このような事故は初めてのことで少し焦りました。

とりあえず、すぐに車を停めて友達とどう対応するべきか相談した結果、何はともあれレンタカー会社に連絡を入れるべきだと言われたのでレンタカー会社に連絡。

どのような状況なのか軽く説明して指示を仰ぎました。その際に、飛び石での損害であったとしても警察への届け出が必要ということだったので連絡を入れました。

これは知らないことだったので、しっかりと確認しておいて良かったと思います。

レンタカー会社や担当者は優しく対応

近くのレンタカー会社の支店に行き、担当者の方に事情を説明しました。

難しいことは考えずに「道路を走行中に飛び石によりフロントガラスに傷とヒビが入ってしまいました。どうすれば良いでしょう?」と聞きました。

嘘を付いても意味がないので、起こったことを話しました。

その時の状況やどの区間を走っていたかを確認して、今後どのような対応を取っていくのかを話し合いました。

担当者の方は怒っておらず「このような事故は結構あるので安心して話してください」と言ってくれました。

個人的には好印象だったのを覚えています。

飛び石でも修理代を負担することに…

結局飛び石の範囲が大きくガラス交換ということになり、費用は10万円ほどかかると言われました。

完全にこちら側の責任なので、こちらが修理代を負担するということで収まりました。

その際、保険や保障によって半分ほどの負担で済んだのでありがたかったです。

自分だけで判断してしまうと全額負担の危険性もあるので、担当者に相談してしっかりとした対応を取った方が良いですね。

飛び石被害に遭わないように気を付けよう!

自分が乗車しているときに発生した事故なので支払いなどに関しては仕方ないことだと感じました。

問題だったのは、飛び石が当たらないように注意しなかったことです。

今まで飛び石被害に遭ったことがなかったため、スピードを出しているトラックが近くを走っていても、車間距離を大きく空けませんでした。

それが結果的に飛び石による事故を招いてしまったのです。

保険や保障を気にするよりも、被害に遭わない努力をするべきだと反省しています。

飛び石の被害に遭わない方法

飛び石の被害は稀で「運次第」、いつどこで被害に遭うかわかりません。

高速道路でレンタカーを運転中に、飛び石によってガラスにヒビが入ったり、傷がついたりする被害を避けるには、走り方に気をつけましょう。

車間距離を開ける

飛び石被害を防ぐ最も効果的な方法は、適切な車間距離を保つことです。

前の車が跳ね上げた石が自車に当たる前に落下する距離を確保しましょう。

一般的に、時速40kmなら22m以上、高速道路なら車速の2秒分(例:時速100kmなら約55m)の車間距離が適切といわれています。

この距離があれば、飛び石の多くは路面に落下し、被害を大幅に減らせます。

また、工事現場や砂利道では特に注意が必要です。

このような場所では、さらに車間距離を広げるか、可能なら別のルートを選択するのも良いでしょう。

走行速度を控えめにする

飛び石の被害に遭わないためには、スピードを控えめにしましょう。

高速道路を走るときは、ついアクセルを踏んでスピードを出しがちですが、スピードが出ているほど飛び石がフロントガラスや車体に当たったときのヒビや傷は大きくなります。

飛び石の被害に遭わなくても、気がついたら自分の後方から覆面パトカーが追尾している可能性もあります。

スピードの出しすぎには気をつけましょう。

いつまでも追い越し車線を走行しない

飛び石の被害に遭わないためには、追い越し車線を走行し続けないことも大切です。

対向車線から飛び石が飛んでくる可能性が高いからです。追い越し車線をスピードを上げて走っていたときの被害は考えたくありませんね。

追い越し車線は遅い車を追い越すときだけ走行し、それ以外は左車線を走行しましょう。

これだけ気をつけていれば、ほとんどの飛び石は防げます。

飛び石は避けようがない

まとめ
  • レンタカーで飛び石事故に遭ったらまずは警察、次にレンタカー会社へ連絡
  • 連絡するときは車両を安全な場所へ移動し、後続車両への注意喚起を忘れずに
  • 飛び石の修理代は基本的に利用者側が負担する
  • 負担金額は加入する保険や特約によって異なる
  • 飛び石被害に遭わないために安全運転を心がける

飛び石が飛んできたときは避けようがありません。自分の車でも痛手ですが、レンタカーはさらに痛手を負うことがあります。

「免責補償制度は必要だろうか?」という人もいます。運転初心者や、車の運転に慣れていない人はともかく、事故率の少ないドライバーは不要という考えがあるからです。

飛び石は本当に「時の運」で、どんなに事故率の少ないドライバーでも避けようがありません。

走り方に気をつけるほかに、免責補償制度やNOC補償をつけて金銭的損害を少なくすることが賢明です。

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この記事を書いた人

ブーまる編集部では、実際に車を売ったり買ったり、自分で直してみたり「やってみた」を大事にしています。中古車系記事の監修は、一般社団法人日本リユース業協会の実施するリユース検定に合格した「リユース営業士」が行っています。整備記事の一部は、現役ディーラーマンが監修や執筆を行っています。

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