【好意同乗とは?】友達の運転でケガ!トラブルを避ける賠償の知識

友達が、あなたを自分の車に「途中まで送るよ」と好意で乗せてくれましたが、友達が事故を起こして、あなたはケガをしてしまいました。

普通に考えれば、あなたは友達にケガの治療費として賠償金を請求できますが、「好意同乗」という考えで賠償金が減額されたら、どう思いますか?

友達の親切はありがたいけど、友達が事故を起こしてケガをしたから、「それとこれは別」と考えるのももっともです。

親切があだとなって人間関係が壊れる前に、好意同乗という考えと、自動車保険の賠償の知識をおさらいしましょう。

目次

好意同乗とはどういう意味?

冒頭のように、友達が好意であなたを車に乗せて事故を起こしたとき、Aさんは親切心からあなたを車に乗せたのであって、営利目的のタクシーが事故を起こしたケースと同様に扱えないので、友達はあなたに対する賠償金を減額できないか、という考えが「好意同乗」です。

日本人独特の道徳観で、親切で行ったことは責められないという考えが根底にあるようです。

賠償がまったく認められないケースも!

あなたが、友達と交代で運転しながら目的地へ向かうとき、あなたと友達は「共同運行供用者」となります。

運行供用者は運転に責任を持っているので、交代で運転しているときに友達が事故を起こしたときは、賠償金の減額にとどまらず、賠償がまったく認められないこともあるのです。

好意同乗は認められなくなっている

以前は、好意同乗による減額は多くの裁判で認められていましたが、現在は好意同乗による賠償金の減額は少なくなり、平成に入ってからはほとんど認められていないといわれています。

最近は、同乗者の責任が明らかなときに限って、好意同乗による賠償金の減額が認められています。

どんなケースが、好意同乗に当てはまるのでしょうか?

好意同乗に当てはまるケース

  1. 酔っぱらい運転をしていることが明らかな運転者の車に乗ったとき。
  2. 運転者に話しかけたことが原因で、運転者事故を起こしたとき。
  3. 運転者の疲れがひどいときに、運転を代わらなかったとき。
  4. 運転者が薬物を使用していて、運転に危険な状態だったのを止めなかったとき。

古い道徳観よりも、個人が受ける権利を優先して、賠償金の減額は同乗者の責任が明確なときに限ったと考えられそうです。

友達の車に同乗中の事故は賠償されないのか?

好意同乗が認められなければ、友達や近い知り合いが好意で車に乗せてくれたとき、事故でケガをしたら、賠償はないのでしょうか?

答えは、自動車保険に加入しているかどうかが問題です。

好意同乗は古い考えになり、同乗中のケガは自動車保険の人身傷害または搭乗者傷害で補償されるので、心配することはありません。

不安なら、友達または近い知り合いが運転する車に乗せてもらう前に、加入している自動車保険の契約内容を確認してみましょう。

知人を乗せるとき、同意書は必要か?

実例ですが、サークル活動に参加する人を、自分の運転する車で20〜30キロの距離を送っていく人がいます。70〜80歳の高齢者もいて、電車に乗ってもらうのは難しいそうです。

万一事故を起こした場合、責任問題になるので、例えば「保険以上の賠償は出ません」と、予め断る必要があるだろうか?と、その人は不安に思っています。

好意同乗は古い考えになっていますが、事故のケースによっては、誘って乗せた場合と、頼まれて乗せた場合で賠償責任が発生することもあるでしょう。

念のため、「目的地まで乗せてください」という趣旨の同意書を作成して、サインをしてもらうのも一つの方法です。

まとめ

  • 好意同乗とは、親切心で起きた事故の賠償金を減額する考え。
  • 共同運行供用者の場合、賠償は認められないこともある。
  • 最近は、同乗者の責任が明確なときに好意同乗が認められる。
  • 同乗中の事故は、人身傷害または搭乗者傷害で補償される。
  • 同意書をとるのも一つの方法。

古い道徳観も、時代とともに変わります。友達が親切で乗せてくれたから、事故で賠償が減ることは基本的にありえません。

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この記事を書いた人

ブーまる編集部では、実際に車を売ったり買ったり、自分で直してみたり「やってみた」を大事にしています。中古車系記事の監修は、一般社団法人日本リユース業協会の実施するリユース検定に合格した「リユース営業士」が行っています。整備記事の一部は、現役ディーラーマンが監修や執筆を行っています。

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